【日本海軍局地戦闘機「紫電改」21型5128号機】
アメリカフロリダ州国立海軍航空博物館に於いて

「紫電」試作1号機の社内飛行試験は昭和17年12月31日から約2ケ月間,伊丹飛行場で行われましたが,この間に,中翼と太い胴体による前下方の視界不良,離陸時における左旋の傾向,および長く複雑な引込脚機構をもった主脚など,本機の欠陥が明らかとなり,昭和18年2月,低翼化してこれらを改善した「仮称一号局地戦闘機改」(N1K2-J)の試作に着手しました。中翼を低翼にしたため前方視界が改良され,これにともなって主脚は短くなり,胴体は直径の小さい「誉」エンジンに合わせて細くし,方向舵を胴体の下方にまで延長するなど,主翼以外の各部が全面的に改変された他,部品の数を減少して生産の簡易化を行いました。試作第1号機は設計開始後11ケ月目の昭和19年1月1日,昭和18年10月に完成した鳴尾飛行場で初飛行を行いましたが,その結果は非常に良好で,「紫電」以上の高性能が認められ,昭和20年1月,「紫電」二一型として制式採用されました。ここに海軍は零戦以来久方ぶりに,高性能戦闘機を前線に送ることができるようになりました。増加試作型の「誠製紫電改」は排気管の配列が改められており,アンテナ支柱もつけられました。カウリング上面以外は全面オレンジ色であります。武装はベルト給弾式の九九式20mm二号四型固定機銃4挺を翼内に装備していました。【日本海軍機写真集・エアワールドより引用】












【日本海軍局地戦闘機「紫電改」21型5341号機】
アメリカアリゾナ州チャップレン戦闘機博物館に於いて


















【次へ】